日本人初のNBAプレーヤー”田臥勇太”はやっぱりすごい② ~能代工時代の活躍から~
八村塁選手がNBAにドラフトされた影響でバスケットボール界が盛り上がっています。久しぶりのバスケットボールブームです。
前回のブームは1990年代だったでしょうか。
1990年代以来のバスケットボールブーム
日本では”スラムダンク”という漫画が大流行し、バスケットボールブームの火付け役となりました。スラムダンクに影響を受けてバスケ部に入った学生はたくさんいるのではないでしょうか。かく言う私もその一人です。
バスケットボールの本場アメリカNBAでは、マイケルジョーダンが2度のスリーピートを果たすなど大活躍していました。滞空時間が長く、美しいダンクシュートは日本でも大人気でした。
バッシュの”エアジョーダン”も大人気となり、ブルズやレイカーズのロゴが入ったカバンやTシャツを身に着けた若者が数多くみられ、バスケファン以外にもNBAが浸透していましたね。
田臥勇太の高校時代
そしてちょうどその頃、高校生として大活躍していたのが田臥勇太選手です。
その実績が今見ても圧倒的にすごいんです。
なんと高校バスケットボール界における3大タイトル(インターハイ、国体、ウインターカップ)を全て獲得しているんです。9冠です。
高校は3年間しかありませんから、1年生の時から全部優勝しているんです。
しかも能代工業という強豪校で1年生の時からスタメンの中心選手として。
バスケットボールをしていなかった方には実感しにくいかもしれないので、
高校野球で例えると、春・夏の甲子園で全てエースピッチャーとして出場し6回優勝、
それに加えて国体も3連覇、というとんでもないレベルの偉業です。
本当にすごいことなんです。
他の選手との比較(①河村勇樹 ②渡邊雄太 ③八村塁)
では、他のバスケットボール選手はどうだったのか。
今をときめく若手選手と比較してみましょう。
①河村勇輝(福岡第一高校)
まずは福岡第一高校のPG河村勇樹選手。
身長172cmと田臥選手と同じく小柄ですが、圧倒的なスピードと強気なプレーでチームを引っ張ります。
U16やU18など各年代の日本代表にも選ばれており、国際大会でも活躍するなど注目の選手です。
先日開催された2019年のインターハイでも福岡第一高校を優勝に導きました。
準決勝の開志国際高校戦は81-55、決勝の北陸高校戦でさえ107-59と圧倒的な力をみせつけました。
そんな河村選手率いる福岡第一も2017年は優勝は無し。
2018年はウインターカップ優勝、国体優勝(福岡県)の2冠。
2019年はインターハイ優勝、国体とウいンターカップはこれからです。
今回の圧倒的な強さをみると、3冠を達成する可能性は高そうですが、
それでも3年間で5冠です。
田臥級の衝撃!! 河村勇輝(福岡第一)選手が国際大会で魅せたスーパープレー TOP10@松山盃
②渡邉雄太(尽誠学園)
2018-19シーズンにNBAメンフィス・グリズリーズと2WAY契約を結び、見事にNBAデビューを果たした渡邊雄太選手です。
スポーツの名門尽誠学園に進学し1年生からスターターとして活躍しました。
2011年、2012年と2年連続でウィンターカップ決勝まで進みますが、残念ながら両年とも準優勝で終わっています。
③八村塁(明成高校)
最後はワシントン・ウィザーズにドラフト1巡目指名されたNBAプレーヤー八村塁選手。
2013年、2014年、2015年とウインターカップを3連覇しています。
インターハイでは2014年は準優勝(決勝は代表に召集されていたため不出場)でしたが、2015年に初優勝を飾りました。
合わせて4冠ですね。
まとめ
河村選手も八村選手も代表召集などで不出場の試合もあったため
一概に比較はできませんが、八村塁選手ですら9冠は達成できませんでした。
このことからも田臥勇太選手のすごさの一端がわかっていただけたかと思います。
今回は高校時代の実績からみた田臥勇太選手のすごさを取り上げました。
ではまた。
こちらはNBAサマーリーグの出場回数からみた田臥勇太選手のすごさです。
hakushunot.hatenablog.com
日本人初のNBAプレーヤー”田臥勇太”はやっぱりすごい。~サマーリーグの出場回数から~
このツイートを見て改めて実感しました。
「田臥勇太はすごい。」
田臥はプレーヤーとしてのピークであろう20歳代にサマーリーグに4回も出場していて、他選手に群を抜いて多い。
— エーネン大阪 (@eenenosaka) 2019年7月19日
さらにすごいのは、それから10年以上経っているのにいまだにBリーグのトッププレーヤーとして活躍していること。 https://t.co/oSiKl50Wsz
今までサマーリーグに出場した日本人プレーヤー
得点能力抜群の川村卓也は1度。
バスケ界の黄金世代といわれる竹内世代。その中心である竹内公輔も1度。
昨年2WAY契約でNBAデビューした渡邉雄太は今年で2度目。
八村塁はもちろん今年初めて。
日本人離れした身体能力をもつ馬場雄大も今年初めて。
八村や渡邉が出てくるまでは押しも押されぬ日本代表のエースだった比江島慎ですら今年初めて。
その中で田臥は4度も出場。ダントツの数字です。
NBAサマーリーグって?
Wikipediaによると
各チームが、前シーズンのラインアップとは異なる選手を試すために行われる。一般的に、新人、若い控えの選手、NBA実績のない選手を、チームが契約するかどうか決定することを目的に、リーグに招待される。
そう、NBAサマーリーグは、希望したからといって出場できるものではありません。
リーグに招待されないと出場することができないのです。
そして、サマーリーグで活躍すれば昨年の渡邉雄太のようにNBAチームからオファーがくる可能性があるので、NBAを目指す世界中の有望な若手選手が集まってきます。
ドラフト1巡目指名されたプレーヤーだって出場します。
過去にはデュラントやウエストブルック、ハーデンなどのMVPを受賞した面々もサマーリーグに出場していました。
ということは、サマーリーグに招待されること自体がすごいことなんです。
日本なんて、ついこの間までアジアでベスト16とか8で争っていたチームです。
そんなバスケ後進国から。
身長170cmそこそこしかないのに。
NBAには程遠かったはずの「時代」「サイズ」
「すごい」の一言では言い表せないほど「すごい」です。
フェニックス・サンズと契約してNBAデビュー
田臥勇太はサマーリーグに出場するだけでは終わりませんでした。
なんと、NBAの強豪チーム「フェニックス・サンズ」と本契約してしまったのです。
本契約どころか試合にも出場してしまいました。
デビュー戦で7点も決めてしまいました。
Yuta Tabuse NBA debut highlights -7pts 1ast 11.3.2004
これには目玉が飛び出るほど驚きました。
まさか自分が生きている間に日本人NBAプレーヤーがうまれるなんて。
試合に出場するなんて。
得点を決めるなんて。
その後は3試合に出場し解雇されてしまいましたが、
サマーリーグに4回も出場し、NBAの本契約を勝ち取ったということは
今後どれだけ日本人のNBAプレーヤーが誕生し活躍したとしても
色あせることはないでしょう。
2008年以降は主戦場を日本に移し、栃木ブレックスで活躍!
さらにさらにすごいのは、2008年に栃木ブレックスと契約して以降、いまだに日本のトップリーグでトッププレーヤーとして活躍を続けていることです。
Bリーグ初年度には、スターティングPGとして栃木ブレックスを初代チャンピオンに導いています。
サンズと契約した2004年からは15年も経っていて、もう40歳手前なのにすごいですよね。
まだまだ活躍を期待したいところです。
さいごに
さて、今回はNBAサマーリーグに日本人プレーヤーが4人も出場したことをきっかけに”田臥勇太”の「すごさ」を振り返りました。
次回は高校時代の業績から”田臥勇太”の「すごさ」を振り返ってみたいと思います。
それではまた。